オランダ、宗教離れさらに加速、68%が無宗教

米国では依然として宗教の力が強いのに対し、欧州全体では宗教を信じるという人が減ってきている。オランダではその減少が顕著である。最新の調査では神を信じると答えた人が14%と驚くほど低い。さらに82%のオランダ人は過去に信仰目的で教会に行ったことが皆無、あるいはほとんどないと答えている。調査はキリスト教系のテレビ局KROが行ったもので、オランダ全体で宗教を信じないという人が68%、キリスト教信者は25%、イスラム教徒は5%そして2%がその他の宗教信者という結果が出た。

またオランダ人は宗教の有無にかかわらず精神を尊ぶという傾向があったが、今回の調査では自分が精神主義者だと考える人も過去の40%から31%に減少している。そして過半数が、宗教が社会生活に関与すべきでないと考えている。オランダではキリスト教を母体とした政党(例えばキリスト教民主党)や学校があるが、どの団体でも宗教色は薄れている。

キリスト教信者の中でもこの動きは進んでおり、カトリック教徒のうち天国の存在を信じる人は13%、イエス・キリストが神の子であると信じる人は半数以下となっている。プロテスタントではこれはさらに少ない。一般にオランダ南部ではカトリック、北部ではプロテスタントという区分があったが、これも無宗教者の増加で分布地図は塗り替えられている。さらに信者減少で使われていない教会が増加し、現在ではイベント会場などとして使われているところが多い。