オランダ、ハーグ市「同性結婚の受付を拒否した公務員の解雇は妥当」判決

2011年、ハーグの市役所の結婚式部門に勤務していた公務員ヴィム・パイル氏は、同性のカップルの結婚式を拒否したとして解雇された。これを不服にしたパイル氏は、信条の自由をかかげ訴訟に持ち込んだ。しかし地方裁判所の判決で裁判長は市による解雇を妥当であるとし、パイル氏は敗訴した。

パイル氏はハーグの市議会でキリスト教連盟-SGP党の評議員として勤務、その後結婚式を執り行う「結婚式部門」の公務員となった。同士が属しているキリスト教連盟(Christian-Unie)は同性愛を認めない極端に保守的なキリスト教の宗派支持者の政党。オランダでは、結婚式は市町村役所で挙げるのが基本で、これにより正式な結婚として認められる。役所の担当者は書類仕事だけでなく、実際に式場で結婚する両者の経歴を述べたり祝福を捧げるなどの結婚式を執り行う。これに対し教会での結婚式はあくまでも宗教的なものである。
オランダは2001年に世界で初めて同性婚を認めた国である。