オランダ、重度認知症患者への安楽死規制緩和

重度認知症患者への安楽死の規制が若干緩和されることになった。オランダ保健省および司法省が7日発表したガイドラインである。

今回の新しいガイドラインでは、認知症患者がまだ自分の意思を表明できる段階で、書面による安楽死の希望を医師に提出しているという条件でこれが認められることになる。さらに認知症が進んだ場合でも、痛みや恐怖、息苦しさなどの耐えられない苦しみがあると認められない場合には、これは許可されない。

意志の疎通ができない重度の認知症患者に対する安楽死に関し、これまで長い間調査と議論が重ねられてきた。オランダにおける安楽死は厳しい条件のもとで合法である。耐え難い痛みや苦しみがあり、さらに治癒の見込みがなく、本人の同意があるといった場合に、担当する医師(ホームドクター)が他の独立した医師の合意の元に行うことができる。これまで重度認知症患者に対する安楽死は本人の意志によるという条件で認められていたが、ほとんどの場合意思の疎通がかなわない。

2012年に発表されたオランダ中央統計局の数字によれば、死亡件数の2.8%が純粋な安楽死によるもの。これ以外に鎮痛剤の注入を増やすなど58%が医療的処置による死亡となっている。CBS Euthenasie