オランダ外相「シリアに地上部隊は送らない。イラクでのミスは犯したくない」

オランダ外相クーンデルス氏(労働党)は、イスラム国(IS)支配地に地上部隊を送るのは意味のないことだ、とAD紙のインタビューで語った。「ISは、我々を罠にかけようとしている。10年前イラクで犯した失敗をもう二度と繰り返すべきでない。」と述べている。ヨーロッパは今IS攻撃に躍起になりすぎているが、もっと冷静に対処すべきであると指摘している。「中東の問題は中東の国で解決するのが好ましい。もちろん欧米の支援は必要である。」と個人的意見を語った。オランダ軍はイラク軍を訓練するとともに、F16戦闘機でISへの空爆を行っている。現在の対ISの空爆はイラクに限定されているが、将来はシリアに空爆を拡大させる可能性も否定していない。「ただ、各国が同時にシリアでのIS攻撃を開始するのは賢明ではない。」とクーンデルス外相。
「米国、ロシア、トルコ、イラン、サウジアラビアなどが顔を合わせシリア問題について話し合うことは、ある意味進歩である。」とするものの、シリアのアサド大統領について「殺戮を繰り返してきたアサド氏がシリア和平への障害となっている。」と非難した。

さらにオランダに押し寄せるシリアからの難民に関し、「難民の中にテロリストが混じっているのではないかと恐れる人がいるが、その可能性はない。」と否定、「難民は我々が恐れているテロリストから逃げてきた人々」だと、難民受け入れ方針に変わりのないことを確認した。ただし、難民審査に関しては細心の注意を払うとしている。また「国境警備は意味がない。欧州への入り口での管理とオランダ国内での過激派青少年への指導を徹底すべき。」とクーンデルス外相は述べている。