ベルギー、メニュー上の高級魚は偽物?

食通の国ベルギーの首都ブラッセルのレストランでの魚メニューがちょっとした騒動になっている。メニューの上では「たら」となっているのが実際に出てくる魚はベトナムの淡水魚「パンガシウス」であったり、「クロマグロ」と書かれているのに実際に供されるのは「メバチ」だったりする。

この魚スキャンダルは、ブラッセルにあるレストラン217店、社内食堂42軒、寿司バー21店を対象に280のメニューをDNA分析した調査結果が元になっている。ルーベン大学(KUL)と共同でこの調査を行った環境団体オセアニアのグスタフソン氏は「ショッキング」な結果だとコメントしている。ブラッセルでは3軒に1軒の割合で、「偽」魚を出しており、これらの代理魚は本物より40%近く安い。

偽魚がもっとも多かったのはクロマグロ。ブラッセルのレストランの95%が他の安い魚を使っていたことがわかった。ワイルド・サーモンと名乗りながら実際は養殖鮭であったケースも多い。魚のDNAデータバンクには約11,000種が登録されているが、レストランで供されている魚の4種はこのデータバンクにない正体不明の魚であった。

グスタフソン氏によれば、問題はレストランによる詐称というよりも欧州の漁業産業そのものにある。捕獲した魚や市場に卸した魚に虚偽のラベルをつけているという疑いが大きい。オセアニアは、デンマークとフランスで同様な調査を行ったが、結果はブラッセルとほぼ同じであった。またオビエド大学が行った調査では、スペインとギリシアでも同様な結果がでている。オランダではまだ調査は行われていないが、同様な結果が出る可能性は高い。