フェイスブックとインスタグラムで「ズワルトピート」画像禁止に

オランダやベルギーの12月の行事であるシントニコラス祭。このお祭りに絶対不可欠である聖ニコラスの黒人従者「ズワルトピート(Zwarte Piet)」の画像の投稿がフェイスブックとインスタグラムで禁止されることになった。顔を炭で真っ黒に塗ったり、アフロヘアや真っ赤な大きな唇などといった固定観念に凝り固まったズワルトピート像が対象になる。

フェイスブックは、今後ピートが人種差別的な似顔絵(カリカチュア)として描かれている場合には投稿を削除すると発表した。ただし、中立的な立場でズワルトピートを語ったり人種差別について述べる場合には画像の投稿は例外となる。異常に大きなイヤリングや大きくて赤い唇といった過去に黒人を描くときに使われていた画像は、人種差別的だとみなされる。そしてこの規則はこれから投稿されるものだけでなく、過去にアップされたものにも適用される。

フェイスブックとインスタグラムを所有するフェイスブック社は、今回の方針はズワルト・ピートだけに適用されるものではなく、世界的にブラックフェイスの投稿に適用されるものだと強調している。

フェイスブックは、ブラックフェイスを禁止するだけでなく、 巨大な鼻などの固定観念で描かれたユダヤ人像なども禁止する。方針のページには、人種、国籍、宗教、性、疾病や障害での差別を助長するヘイトスピーチを禁止すると書かれている。
米国では今年の5月に起きた警官による黒人殺害事件を受け、黒人の権利を守るという運動が広まっており、フェイスブックの今回の措置はこれを踏襲したものである。オランダではズワルトピートに関し、人種差別的なので禁止すべきという意見と、伝統的な行事なので続けるべきだという意見で割れている。

Facebookの方針