お天気コラム 12月 ホワイトクリスマス

ホワイトクリスマスとは?

今年も残すところ、あとわずかとなりました。この時期になるとよく聞かれるのが「今年はホワイトクリスマスになるのかどうか」ということ。これは、日本でもオランダでも同じようです。

日本にはホワイトクリスマスに正式な定義はありませんが、オランダでは「12月25日と26日の午前9時にKNMI所在地のDe Biltで積雪があること」としています。1901年の観測開始以来これまでオランダでホワイトクリスマスになったのは、たった8回だけ。最後は2010年と、13年前のことになります。

なぜオランダのホワイトクリスマスはめずらしいのでしょうか?雪が降っても積もらなければカウントされないという厳しめの条件であることも影響していますが、そもそもオランダでは緯度が高いわりに雪があまり降らないのです。

ホワイトクリスマスがめずらしい理由

雪が降るにはいくつかの条件がありますが、当然「寒さ」が必要です。オランダは高緯度に位置しているものの暖流の影響で温暖な気候であることが、ホワイトクリスマスがめずらしい要因の一つとして挙げられます。

ところが、日本の日本海側では同じように暖流が流れている(11月のコラム参照)にも関わらず、ご存知のとおり世界有数の豪雪地帯。ホワイトクリスマスは決してめずらしいことではありません。なぜオランダと日本海側では雪の降り方に大きな違いがあるのでしょうか?

雪をもたらす正体

日本海側に雪をもたらす要因はいろいろとありますが、オランダと大きく異なるのは「山」があることです。日本列島の中央に連なる高い山に、シベリアからの冷たい空気がぶつかることで上昇気流が発生して雪雲が発生。日本海側の地域に雪を降らせます。

一方、オランダには山がないため上昇気流が発生しにくく、あまり雪が降らないという訳です。このため、同じヨーロッパでもスカンジナビア山脈があるスカンジナビア半島では雪が多くなります。

オランダではホワイトクリスマスになる可能性は低いですが、ホワイトクリスマスでもそうでなくても、素敵なクリスマスをお過ごしください。

参考:KNMI https://www.knmi.nl/nederland-nu/klimatologie/lijsten/wittekerst

プロフィール

竹内青空(たけうち あおぞら)

徳島県出身。2021年よりデン・ハーグ在住。インスタグラム(@aozora_takeuchi)でオランダの天気や生活について発信中。日本ではウェザーニューズに所属して気象原稿作成やラジオの気象情報を担当、千葉テレビでも気象キャスターとして出演していました。