極右政治家ウィルダース氏、ヘイトスピーチで提訴
オランダ検察は反イスラム極右政治家のウィルダース氏を差別とモロッコ人に対するヘイトスピーチの罪で起訴する。政治家の発言は言論の自由で守られるべきだというのがウィルダースの言い分であるが、検察は憎悪を煽る差別発言は言論の自由を超えるという見地で提訴するもの。
ウィルダース氏は今年10月「オランダのモロッコ人はもういらない。イスラム教徒もいらない。」というスピーチを行った。さらにこれに逆上る3月のハーグでの党内演説でも「今以上のモロッコ人移民が欲しいか、それとも今より少ないのを選ぶか。」というヘイトスピーチを行い、参加者から「もっと減らせ!」という合唱が続いた。この事件で2人の下院議員、数名の市議会議員がウィルダースの率いる自由党(PVV)を離党しただけでなく、検察へ6400件以上の苦情が寄せられていた。
ウィルダースはこれまでにも2010年に憎悪を煽るヘイトスピーチと差別で起訴されたことがあるが、今回の提訴は最も厳しいものである。これに対しウィルダースは「自分はオランダ国民の多くが思っていることを述べているだけ。現在PVV党は世論調査では第一党である。」と正当性を主張している。