予算案発表、新年度から変わること

インフレによる購買力は低下の一途をたどっているが、昨日の王子の日(Prinsjesdag)に発表された新年度予算案では購買力保持を目的とした数々の対策が示された。この中でもオランダに住む消費者に直接関係する事項を取り上げてみた。

1.健康保険料: 月に12ユーロ値上げし、平均で149ユーロとなる。もちろん保険会社によって金額は異なるが、11月12日までに各保険会社は来年からの保険料を発表する。

2.家賃補助: 低所得者向けの家賃補助は年間416ユーロ増額される。1世帯あたりの補助金額は、所得、子供の数などによって異なる。

3.子ども関連補助(Kindergebonden Budget): 一人目の子供に対し年間750ユーロ(月額で62.5ユーロ)が増額される。2人目あるいはそれ以上の数の子供に対しては、最高で年間883ユーロが増額される。金額は所得や資産などによって異なる。(通常の子供手当Kinderbijslagとは別途の補助金)

4.これらの補助金増額合計は22億ユーロになるが、これを補うために高額所得者の所得税が引き上げられる。年間76,000ユーロ以上の所得に対して49.5%の所得税が課せられる。

5.中小企業や個人事業主:利益に対する所得税免除が、これまで14%だったのが12.7%までに下がる。

6. 燃料税: 2022年4月に、エネルギー費の高騰を受け、ガソリンなどの燃料にかかる税金が引き下げられた。今年の7月にこの引き下げ分の一部がなくなり再び値上りが起きたが、来年の1月からこの引き下げ分がすべて廃止されるため、さらなる値上がりが見込まれる。ガソリンでリットルあたり21セント、ディーゼルで13.5%値上がりする。

7. 公共交通機関: オランダ鉄道(NS)は、インフレ率+3.5%の値上げを計画している。バスやトラムなどの地域交通機関も11%を上限に値上げする。ただし、雇用主は従業員への交通費補助が無税となる。