王子の日、2020年度の政府予算発表
9月の第3火曜日である17日は恒例の金の馬車に乗って国王夫妻がパレードする王子の日。パレードに続き政府予算が発表された。まずは来年度の経済予測概要だが、成長率は1.5%(今年は1.8%)そして給与引き上げ率は2.5%、さらに失業率は3.5%という数字が提示された。財政は5年にわたり黒字で、歳入が3055億ユーロに対し再出が3021億ユーロという、全体的に好ましいものである。ただし政府は住宅、教育、介護などで問題を抱えている。
住宅:仕事を始めたばかりの人、中間所得層などが住宅不足であえいでいる。新規にこれらの層が賃貸できる住宅の建設が計画されているが、このための予算は10億ユーロ。さらに政府は10億ユーロを地方自治体が賃貸助成金として新築住宅入居者に支払うための予算も計上した。またこれまではいわゆる政府補助住宅(ソーシャルハウス)への入居は、年間所得38,000ユーロ以下の家庭に限られていたが、これが42,000ユーロまで上限が上がる。
教育:教育予算はこれまでの8億8300万ユーロから10億ユーロに引き上げられる。ただしこれにはインフレ上昇率も含まれている。
健康と介護: 国民が均等に支払う健康保険額の最低額は月額118.50ユーロで自己負担が385ユーロ。現状より3ユーロの値上げである。ただし低額所得者は、独身で67ユーロそして家族で95ユーロ。
健康に害を及ぼすタバコの税金がさらに上がる。またスーパーマーケットなどでの販売が禁止される。
環境とエネルギー:ガス料金は値上がり電気料金は現状維持。エネルギー税が下がるため、全体では年間平均100ユーロの支出減少である。これに対し企業はCO2税が課税される。このほか、温暖化防止のための基金が設立され、ソーラーパネルなどの設置に助成金が出る。