盗まれたゴッホ作品見つかる、イケアのバッグに

2020年3月にラーレンにあるシンガー美術館から盗まれたゴッホの作品「春の庭(ヌーネンの牧師館の庭)」(1884)が、見つかった。「春の庭」はフローニンゲンの美術館が所有するものだったが、展覧会のためにラーレンに貸与されていた。取り戻したのは、オランダの美術犯罪専門捜査官(探偵)であるアーサー・ブランド氏。

ブランド氏は盗まれてから現在までこの作品を追い続けてきた。同氏によれば、作品は地下組織を手から手へと巡っていたという。有名な作品は決してオークションなどの表社会には出ずに、犯罪者から犯罪者へと売買される。入手した作品は交渉手段として利用される。たとえば、有罪判決を受けた場合、絵画と引き換えに刑期が大幅に減刑されたりする。

犯罪者はチャット プラットフォームを通じて、盗まれた絵画の詳細について話し合う。ブランド氏もこのチャットプラットフォームに侵入していたが、「犯罪組織はこの絵を手放したかった。その時期は近づいていた。」と語っている。

2週間前、彼はゴッホを所有していると主張する匿名の人物からテキストメッセージを受け取る。先週の月曜日、ブランド氏はこの絵画を所有するフローニンゲン美術館のアンドレアス・ブリューム館長と約束を取り付けた。ブリューム館長はブランド氏が絵を受け取った際に真贋を見るために控えていた。

「枕にはさまれた絵はイケアのバッグに入っていた。」とブランドは語る。「その後すぐにブリューム館長が見に来た。それは紛れもなく春の庭だった。我々はみな目に涙を浮かべていたが、その後すぐに刑事たちと乾杯した。」

作品はわずかに損傷しており、修復する必要がある。フローニンゲン美術館にいつ再び展示されるかはまだ不明だ。

作品は2020年3月29日から30日にかけての夜間に盗まれた。監視カメラの映像には、大ハンマーでドアをこじ開けた後、絵画を小脇に抱えて外に逃げる男性の姿が映っていた。