ルッテ首相辞任、政界引退へ
オランダのルッテ首相は、難民問題を巡る分裂が原因で連立政権が辞任を表明したことを受け、政界から引退すると述べた。ハンガリーのビクトル・オルバン氏に次いでEUで2番目に長く党首を務めているルッテ首相は、月曜日、議会で辞任する意向を表明した
2010年から政権の座にあるルッテ首相は、次回の選挙では再選には出馬しないと述べている。ルッテ首相の率いるリベラル中道右派VVD(自由民主党)はオランダ最大政党であり、ルッテ氏は4つの政党連立を率いてきた。
ルッテ首相の失脚は、オランダでの難民申請者数の増加を受けて、より厳しい移民政策を導入しようとしたことがきっかけとなった。難民受付センターは混雑し、昨年は乳児が死亡するケースもあった。
人口1,800万人の人口が密集したこの国では住宅が極端に不足しており、入国者数を削減するよう政府に圧力がかかっていた。オランダの亡命申請者数は昨年3分の1増加して4万6000件以上となり、政府は今年は過去最高となる7万件に達する可能性があると予想している。
ルッテ首相の前回の政権は、マイノリティの背景を持つ親が詐欺師になる可能性が高いと予測したアルゴリズムに基づき、親への児童手当を拒否する福祉プログラムを実施した後に崩壊している。その結果、何百人もの子供たちが親から引き離され、家族は急な返済期限などの借金に突然悩まされ、一部の大人が自殺に追い込まれた。
ルッテ首相の今回の政界離脱は、彼の最後の政治的打算だったのかもしれない。ルッテ首相は議会で不信任決議案に直面しており、敗北する可能性が高い。政治家から完全に引退するという同氏の発表は「自分の評判を守るため」とも見られる。
同氏は11月に行われる可能性が高い選挙まで閣僚とともに暫定首相の職にとどまる。
次に何をするかは分からないとしながらも、EUのトップ職に就く可能性は否定している。