オランダ、「略奪した」財宝を旧植民地に返還
オランダは10日、旧植民地であったインドネシアに478点の文化財を返還する。さらにスリランカにも6点返還するという。返還する文化財がこれまで保管されていたのは、ライデンにある民族博物館(Museum voor Volkenkunde)である。
返還文化財のほとんどは1894年にインドネシアのロンボク島からオランダ軍が没収したもので、金貨や銀貨、宝飾、アクセサリーなどが含まれる。
ロンボクからの宝飾品の中でも最も目を引くのは75カラットのダイヤモンドであろう。ロンボク財宝以外ではピタ・マハ・コレクションと呼ばれる1940年代にバリ島で作られた彫刻132点である。
このほかスリランカから没収した財宝も6点同国に返還される。この中には、17世紀にセイロン(スリランカの以前の名称)の最後の国王であったカンディ王へのプレゼントとしてオランダで鋳造された大砲がある。この大砲は金や宝石で飾られているが、最終的にはアムステルダムの国立美術館で保有するに至っていた。
インドネシア政府は1970年代からインドネシアからオランダに持ち帰った文化財の返還を求めていたが、本日やっとこれが実現される。歴史的瞬間であるといっても過言ではない。最近ではオランダだけでなく欧州各国が植民地時代に略奪した財宝を返還している。インドネシア政府は、この478点の財宝以外に、現在ライデンのナチュラリス博物館に保管されている4万点の化石の返還も求めている。
(画像はKunsthal)