カナダの投資家、オランダの7500軒の不動産売却

オランダの不動産に投資し家賃収入を得ているカナダの不動産投資会社が、所有している6900軒の不動産を売りに出す計画だ。この会社は今後はカナダの不動産に焦点を当てると話している。オランダ政府は昨年、住宅不足と高騰する家賃に対処するため、賃貸用物件への投資を利潤の良くないものにするよう政策を打ち出している。おそらくこれが引き金でこの投資会社がオランダから撤退すると見られる。

カナダの不動産投資会社ERES REIT社は、アムステルダムのバイルメール(Bijlmer)地区にある有名な集合住宅であるデ・カメレオンに投資し賃貸している。またオランダ全国のタウンハウスやフラットにも投資している。

ERES社がオランダの投資物件を売りに出すことは様々な状況を鑑みると理にかなう決断だ。オランダの不動産市場はここのところ不調で、不動産価格もここ々数ヶ月で昨年より下がっている。金利上昇が大きな要因となり、これから家を購入する人や投資家が躊躇気味だ。

さらに政府が不動産取得税の引き上げと、厳しい家賃基準を設定したことで、不動産投資家たちがオランダ市場から手を引き始める可能性が高い。不動産取得税は過去2%だったのが10%に引き上げられている。家賃上限の設定で、数千軒の家賃が近いうちに1000ユーロ以下に引き下げられる。これにより多くの(不動産投資家)家主が、所有物件を売りに出している。これはERES社にとっても同じでオランダ市場はこれまでほど魅力的でなくなった。もしERES社が所有している7500軒がすべて売却されることになれば、これまでのオランダ市場での取引最大のものとなる。