ガス価格急騰!いったい何が起きているのか?

ここ数週間、天然ガス価格が急騰している。今月初めには1メガワット時23ユーロだったのが、40ユーロにまで上昇した。これが消費者の光熱費に反映されるのだろうか?

昨年のガス価格高騰によるエネルギー費の6-8倍という急激な値上がりは悪夢のようだったが、これが再来するのだろうか? 

2週間で70%の上昇の要因はいくつかあるのだが、アジア(とくに中国)での液化ガスの急激な需要増が大きいという。ウクライナ戦争勃発以来、ヨーロッパでは液化ガスの輸入に切り替えてきたが、中国が高値で購入するため、供給が減ってきた。さらにこの暑さでエアコンの利用が急激に拡大した。またノルウェーのガス田の保守作業が計画より時間がかかっていること。これらがガス価格の上昇に拍車をかけた。

ただしガス価格の急騰が直接消費者向けガス代に反映されることはなさそうだ。とくに固定料金に切り替えた家庭では全く料金には影響しない。また2週間程度の価格高騰が消費者向けガス料金に反映することもなさそうだというのが、専門家の見解だ。昨年8月の急騰は、ロシアからのガスが止まったことだけでなく、フランスでの原発の問題なども絡み、悪いことが重なったことが原因だった。