ベルギーの受刑者、精神的苦痛による安楽死が認められる

複数の強姦と殺人の罪で終身刑を受けているベルギーの受刑者、フランク・ファン・デン・ブレーケン(50)に17日安楽死が認められた。30年近く収監されているこの受刑者に仮釈放が認めれたが、刑務所の外に出れば暴力や強姦を繰り返すかもしれないという不安でこれを拒否してきた。「これ以上、この状況下で生きることに耐えられない。もうこの痛みを受け入れられない」と同受刑者は安楽死を希望してきた。3年間にわた法廷での討議の末ファン・デン・ブレーケンに臓器提供という条件で安楽死が認められることとなった。

ベルギーでは他の欧州諸国と同様死刑はない。さらにベルギーはオランダに次いで安楽死を合法化している国である。今回の「受刑者耐え難い精神的苦痛」に対し安楽死を認めるという判決が下されたのは、12年前の安楽死幇助の合法化以来はじめてのことである。

ファン・デン・ブレーケンはオランダでの精神医療を受けることを望んでいたがこれが認められず今回の安楽死という決定が行われたもの。ベルギーでは受刑者に対する精神医療施設はまだない。