エネルギー危機は今年も続くが、再生可能エネルギーが救いに
2022年はガス価格が4倍に跳ね上がるというエネルギー危機の年だった。2023年はどうなるのか。風力発電や太陽光パネル設置の拡大、液化ガスの蓄積が進み、少しだけ光が見えてきた。しかし結論を言えば、これによりエネルギー価格が大幅に下るということはなさそうだ。
実際のところ、ガスと石油の供給は需要を大幅に下回っている。このため専門家は価格は高止まりだと予想している。ただ2022年にはガス料金は平均して4倍に跳ね上がったが、このような値上がりは今年は予想されていない。ガス価格がメガワット時100−150ユーロまで上がると、需要が大幅に減り料金が下降するためだ。
昨年8月ガス価格はメガワット時343ユーロという天文学的数字に上昇した。しかし現在は80ユーロ以下。しかし2021年に比較するとまだ高い。
ガス危機はまだ去っていない。専門家の中には2023年もまだこの状態は続くと見る人もいる。というのも昨年はロシア・ウクライナ戦争の最中でも欧州はガス貯蔵のために、ロシアからガスを買っていた。2023年はノルウェーなど他のガス供給地を探すか、液化ガス(LNG)の供給を増やすしかない。液化ガスの輸入には特別なターミナルが必要となり、現在各国の港で建設中だ。LNGの輸入は2023年のエネルギー供給の鍵となりそうだ。
原油価格は、現在中国での需要がコロナ禍により激減しているため、低い状態だが、中国での需要が復活すると2023年の後半には大幅な上昇が予想される。
このようにガスと石油の供給には不確実性が常に伴うが、再生可能エネルギーの割合が毎年増加していることが唯一の救いとなりそうだ。例えば2023年には北海に巨大な風力発電パークが2ヶ所で運転開始するだけでなく、オランダのソーラーパネル設置も速いテンポで進んでいる。これにより今年の夏は電気料金がマイナスになる可能性もある。