オランダの小児科が満杯で、ベルギーに搬送も

オランダの病院の小児科がほぼ全部満杯状態になっている。入院受付を止めている病院も多く、緊急に入院が必要な子供はベルギーに搬送されている。とくにランドスタットと呼ばれる地域(アムステルダム、ハーグ、ロッテルダム)での受け入れ状態が悪く、毎日30人から35人の子供が他の病院へと移動せざる得なくなっている。

小児科が患者を受け入れられないのには、2つの理由がある。まず小児科専門の看護師不足。もうひとつは風邪のウィルスが蔓延していて病気になる子供が急激に増えていること。とくにRSウィルスによる風邪が今年は深刻で、小さな子どもが感染すると呼吸困難になり、ときには集中治療室での治療が必要となる。

ロッテルダムのソフィア小児科病院の小児科医によれば、「オランダ全土でベッドと集中治療室が不足している。どこも病気の子供達で一杯で、ひとつの病院から他の病院へ移すことも不可能になっている。」とくに心臓病の手術が必要な子供の治療ができず延期されている。ただし、これにより命の別状はないはずと、同医師。

先週には、子供6人がベルギーに搬送された。子供は治療を受けることができたが、両親にとっては隣国といえども遠い場所に行かねばならないので負担だ。オランダ病院協会では、事態を重く受け止め、病院間での入院体制が一瞬で見られるシステムを構築すると発表。また小児科専門の看護師の養成にも力を入れるが、これには15か月かかることで即刻の解決にはならない。