IMFのオランダ経済予測、インフレと成長止まり

国際通貨基金(IMF)は、オランダは来年も物価上昇が続き、経済成長は止まると予想している。今年のオランダの経済成長は4.5%と見積もっているが、来年は0.8%へと減速する。今年のインフレは12%と高く、来年も8%程度になると予測している。

IMFの予測は、9月にオランダの中央計画局(CPB)が発表したものよりも悲観的だ。CPBによれば、来年のインフレは最高でも5.5%だとしているが、ガス価格にも大きく左右される。

世界的にも成長は鈍化する。ヨーロッパにおけるガス価格の高騰、ウクライナでの戦火が世界経済に影響を与えている。さらに黒海協定での価格協定にもかかわらず、戦争は穀物価格を押し上げている。そしてウクライナ紛争だけでなく、中国の経済状況も世界経済に逆風となっている。中国政府はコロナによるロックダウンを続けており、昨年の巨大不動産会社エバーグランデの倒産以来、不動産市場も悲惨な状況だ。

経済の後退はヨーロッパだけではない。IMFは米国と中国の経済の悪化も懸念している。「最悪な状態はこれからやってくる。2023年は景気後退となるだろう。」とIMF。「政策立案者は市場の安定を確保しなければならないが、中央銀行は金融政策をインフレ抑制に集中させ続けなければならない」としている。

このIMFの発言はオランダ中央銀行のクノット頭取の声明と結びついている。彼は政府のエネルギー上限政策に批判的だった。クノット氏 はこの上限政策で支出が増加し価格をさらに押し上げる可能性があるという。欧州中央銀行にとって、上限政策を行わ買った場合よりも少し金利を引き上げる必要があることを意味する。
(画像:IMF)