オランダ不動産価格9年で2倍に
オランダの不動産価格はここ9年で2倍になった。2013年6月と比較すると今年の6月の同じ家の価格が99%上昇したということだ。不動産価格は2009年まで上昇し続けていたが2009年の金融危機以来下がり続け2013年には最低レベルに落ちた。しかしこれ以降上昇し続け現在に至る。
この異常とも言える住宅価格の上昇は、慢性的な住宅不足、金融緩和によるローン限度額の上昇、そして低金利が拍車をかけてきた。消費者のみならず投資家もこれに目をつけた結果、不動産市場がオーバーヒートした。しかし、上昇の勢いは落ちてきている。3ヶ月連続で上昇率が前月より下がっている。ローン金利の上昇と法外な不動産価格がこのスローダウンの要因となっている。
この不動産価格上昇と富裕層の拡大の裏に、オランダの貧困問題が浮上している。10人に1人の子供は貧困の中で育っている。企業は過去最大の利益を出すなかで、貧困層が拡大し続けている。エネルギー価格は上昇のまま、物価上昇は収まるところを知らず、生活は苦しくなるばかり。住宅不足、エネルギー危機、貧困などに真剣に取り組んでこなかったルッテ政権、新年度はこの危機にどのように対処するのだろうか。