オランダ人の幸福度、若者は下降、高齢者ほど高く

国連の調査によればオランダ人は世界で5番目に幸せな国民だ。この地位は依然として変わっていないが、年齢層によって差が出ている。最新のオランダ中央統計局(CBS)の調査によれば、若者の81%が「いつも幸せ」だと答えている。確かに高率ではあるが、1997年にはこの数字は91%で、すべての年齢層の中でも最も幸せだった。今では、各年齢層で幸福度が低い部類になってしまった。
若者の幸福度の後退はここ数年目立っている。CBSによれば、おそらくコロナ禍によるロックダウンの影響も大きいという。

昨年の初め、オランダ人の成人の80%が人生に満足しているという結果が出た。これが第2四半期には83%そして第3四半期には85%へと上昇した。この上昇傾向は続くとCBSは見ている。満足度と幸福度は若干違う。幸福度は感情であり、満足感は合理的な事項である。調査に使った質問では、「どの程度自分を幸福な人間だと思うか」そして「今の生活にどの程度満足しているか」と分けている。

人生で社会的なつながりが最も重要な若い世代にとって、コロナ禍下の外出制限はメンタルな打撃を与えたことは明らかである。これが幸福度に影響している。ただ若者の幸福度下降はコロナだけが影響しているわけではない。2015年の教育改革で、奨学金が廃止され学生は多大な借金を背負うことになる。また学業期間にも制限がつき、早く卒業しなければならないというプレッシャーが若者を苛んでいる。仕事での成果への圧力も高まっている。

若者の幸福感が下降しているのに対し、55歳以上の人たちの幸福度は上昇している。CBSによれば、高齢になっても健康が保たれていることや、55歳から75歳(とくに女性)の労働参加率が高いことによる所得や年金が上がっていることが要因だ。

CBSの統計