バレンタインのバラ20%も高く
最近オランダでもバレンタインデーのプレゼント交換が商業化している。ただ女性から男性へ贈るという習慣はなく、誰にでも好きな人に好きなものをプレゼントするというもので、カードや花を選ぶ人が多いという。
今年は人気の赤いバラが昨年比で20%も値上がりしている。世界最大の花卸市場のロイヤル・フローラによれば、チューリップやカーネーションといった切り花は10%の値上がりだ。
値上がりの原因は燃料費の高騰と原産地アフリカからの輸送問題。燃料費の値上がりで温室の温度を上げるのが難しくなっている。とくにバレンタインデーは冬に当たるため、オランダでのバラ栽培で温室の温度を上げるのは必須で、これが価格に転嫁される。オランダでの温室栽培の不足を補うために通常の冬にはアフリカからの輸入に頼っている。しかしコロナ禍でアフリカからの輸送問題が深刻で、なかなか通常に戻らない。
ただしバラに関してはオランダでの消費は5%と少なく、ほとんどがドイツ、オーストリア、スイス、そしてイタリアに輸出されている。オランダ人はチューリップなどの価格の低いブーケを選ぶ人が多いのに対し、イタリアでは燃えるような赤いバラが人気だという。
それでもバレンタインデーのロイヤル・フローラ経由でのバラの販売は毎年1億5000万本と大きい。「コロナなどの不安をかかえる暗い時期だからこそ、多くの人が愛を表現する花を買うのでは」とロイヤル・フローラ。