賃貸物件の家賃また大幅に上昇

フリーセクターと呼ばれる賃貸物件の価格の上昇が止まらない。フリーセクターの物件とは、国の補助や規制のあるソーシャルハウスと違い、家賃規制や補助などがない住宅である。過去3ヶ月の全国平均家賃は昨年同時期と比較して5.3%上昇している。コロナ危機で一時家賃が下がったが、今では過去最高額に上っている。とくに、家具や設備のない空の状態の住宅の家賃上昇が激しい。

全土平均家賃(1平米あたりの価格と上昇率)
家具付き: 19.68 (8.1% )
設備付き家具なし:16.39 (8%)
設備なし:16.39 (20.9%)

賃貸住宅を専門に扱う不動産業者パラリウスによれば、この家賃上昇は想定内だという。需要は異常に高く供給が少ないので、当然家賃は上がる。これまでは家賃を払うよりも家を買ったほうが安いという算段で持ち家を購入する人が多かったが、昨今の不動産価格の上昇で手が出なくなり、仕方なく賃貸物件を探している。いわゆるソーシャルハウスを借りるには収入が多すぎ、家を買うには少なすぎるといった中間層だ。さらにソーシャルハウスに入居資格があっても、あまりにも待ち時間が長いためフリーセクターの住居を探す人も増えている。

オランダ全土で見てみると、価格上昇が激しい地区とそれほどでもない地区がある。ナイメーヘンでは、昨年比較で0.7%下がっている。ティルブルフでは4.4%も下降している。これに対し、アムステルフェーンでは8.4%上昇、アイントホーフェンに至っては11.7%の値上がりが記録されている。パラリウスによれば、この2市のように駐在員の多い地域での値上がりが激しいという。コロナ危機が始まった2020年から2021年にかけて、駐在員が帰国したり、観光客も激減したため、家賃は下がっていた。ところが昨年後半からの規制緩和で、駐在員も観光客も戻ってきている。

Pararius