オランダのフードバンク、利用者急増でパンク状態

オランダのフードバンクは利用者の増加でパンク状態になっている。フードバンクとは、包装の傷みなどで、品質に問題がないにもかかわらず市場で流通出来なくなった食品を、スーパーマーケットや企業から寄附を受け生活困窮者などに配給する活動およびその活動を行う団体である。オランダでは「Voedselbanken」と呼ばれ全国に149ヶ所ある。生活困窮者が利用できるフードバンクだが、この1年で利用者は30%増加した。

現在35,000世帯がフードバンクから毎週食品パッケージを受け取っており、家族を含めると約85,000人がフードバンクの供給に頼っている。ところが最近では、通常の生活保護者だけでなく、自営業者や中小企業の経営者などが経営不振に陥り食料が購入できずに、フードバンクにやってくるという。

食品生産業者やスーパーマーケットチェーンとの交渉はうまく行っているが、レストランや農業セクターからの供給はまだこれからという状態で、これらの供給が軌道に乗り需要を完全に満たせるようになるにはあと2,3年かかると、フードバンク担当者。現在オランダで流通している食料のうちフードバンクなどの援助団体に回るのは0.3%に過ぎない。レストランからの供給がシステム化できれば、もっと需要が見たせることができるという。

フードバンクでボランティアする人の数は昨年の6500人から8300人に増えている。

Voedselbanken