海洋プラゴミを回収する「オーシャン・クリーンアップ」新機材で成功

オランダ人の青年ボイヤン・スラット(25)が始めた海のプラスチックを回収するプロジェクト「オーシャン・クリーンアップ」が、新しいテスト機材でゴミを回収するに成功したと2日発表した。今回スラット氏は新しいプラスチック回収機を開発、昨年10月から試験を重ねてきたが、今回ついに太平洋のハワイ沖での実験に成功した。新しい機材は、大きなプラスチックゴミだけでなく、1ミリ程度のマイクロプラスチックと呼ばれる細かいものも回収できた。

以前に開発された機材ではプラスチックを集めても回収できないという問題があった。そもそもオーシャン・クリーンアップは海流を利用しゴミを捕らえるというのがコンセプトなのだが、システムとゴミの流れの速度の違いにより、回収が難しかった。新しいシステムではパラシュート・アンカーを利用し、速度を調整。これによりゴミとシステムの速度を協調させた。今回の実験は世界で最もプラスチックのゴミが多い、太平洋のカリフォルニアとハワイを結ぶ地点だ。数十億個といわれるプラスチックの破片や塊は合計で数百万キロに及ぶ。

このプラスチック回収計画は、まだ高校生だったボイヤン・スラットが7年前に発案したもの。スラット氏は大学で宇宙工学を学ぶも中退しこのプロジェクトに挑むことになった。2017年には、シリコンバレーの起業家マーク・ベニオフ氏や慈善家のピーター・ティール氏そしてオランダの化学会社DSMなどから合計3150万ユーロの資金援助を受けている。

Ocean Cleanup プレスリリース