政府の環境対策に反対する畜産業者のトラクターによるデモで、史上最悪の大渋滞
1日火曜日早朝から、国会のあるハーグに向かう道路がゆっくりと走るトラクターで埋まっている。農業従事者が午後から政府の環境対策に対するデモを行うためだ。その上、高速道路での事故や悪天候も重なり午前8時には合計1000kmの渋滞と史上最悪の大渋滞となっている。午後にはオランダ全土から約1万人の農業従事者が集まる予定だ。
農業従事者とくに畜産を営む農家は、今回公開された環境問題報告書に基づいた畜産業の制限を行うという政府の短絡的な対策に怒りを示している。排出窒素による環境汚染は畜産農家だけを攻撃の的にするべきでなく、他の業種でも制限を設けるべきだというのが主張だ。午後のデモには、農業・自然・食料省のスハウテン大臣や、民主66党の議員なども参加する予定だ。
午前8時現在渋滞がひどいのはユトレヒトとハーグを結ぶ高速道路A12で、交通サービスのANBWは道路利用者に対しA12を避けるよう呼びかけている。
窒素対策として政府はすでに高速道路の一部の制限速度を下げ、総工費140億ユーロに上る建設工事を中止している。国立環境衛生研究所は窒素汚染の40%は農業からと試算しており、農業が窒素発生の最大の根源であるというのが政府の見解である。ただオランダ大気に含まれる窒素の35%は国外から来るもので、畜産業者だけが減産を求められるのは不公平だというのが今回のデモの趣旨だ。40%のうち、養鶏業と養豚業からは10%のみという数字も出ている。一番の窒素排出は牛から来ており、牛の数を減らすことにより、かなりの効果が見られると政府は見ている。