オランダ、深刻な薬不足に。中国とインドへの依存高く。

オランダが薬品不足にみまわれている。今年8月に薬局、消費者、流通企業などからの処方箋薬がないという報告件数は昨年同時期の2倍に膨れ上がった。オランダでは医薬分業が確立されており、医師が処方した薬は薬局で受け取る仕組みだが、その薬自体が供給不足になっているのだ。血圧抑制薬、避妊用ピル、パーキンソン病用治療薬などあらゆる分野の薬である。健康保健スポーツ省(VWS)によれば、不足している薬には代替薬やジェネリック薬品を出すよう指導しているという。しかしながら代替薬では副作用も心配されている。
現在769種の薬がオランダでは入手できないという状況に陥っている。昨年は732種だった。2000年から2010年の間は200種と少なかった。

この薬品不足の裏には、欧州での薬品製造業の衰退がある。現在ほとんどの薬品が中国とインドから輸入されていて、供給はこれらの国に頼っている。コスト高の欧州で薬品を製造するよりも安い薬品を輸入するほうが医療費を節約できるという思惑があった。ブラウン健康保健スポーツ省大臣は、この薬品不足を懸念し、製薬業を欧州に戻そうという計画をEUと調査したい意向だ。今後、中国やインドへの薬品供給依存率を減らしたいと述べている。