マレーシア機MH17撃墜でロシア人ら4人を殺人容疑で訴追

5年前の2014年7月、アムステルダムからクアラルンプールに向かっていたマレーシア航空17便(MH17)が、ウクライナ上空で何者かの発射した地対空ミサイル「ブーク」によって撃墜され墜落した。乗客と乗組員298人は全員死亡した。このうち192人はオランダ人であり、エイズ国際会議に向かう著名なエイズ研究者6名も含まれていた。

オランダを中心とした合同捜査チーム(JIT)は5年に渡り容疑者の特定に力を注いできたが、19日4名の容疑者を特定し、殺人容疑で起訴すると記者会見で発表した。容疑者はウクライナのハルチェンコ、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)大佐のドゥビンスキー、航空機の撃墜した地域の警備を担当したプラートフそしてロシア連邦軍元将校、対ウクライナ侵略に積極的に参加したギルキンの4名。

公判は2020年3月にアムステルダムで開催される予定だが、この4人の容疑者が法廷に立つ可能性は極めて低いと見られている。またロシア外務省は19日、声明を発表し、「全く根拠のない非難だ」と反論している。

今回の合同捜査の功労者と言えるのが、民間調査グループ「べリングキャット」である。べリングキャットはソーシャルメディアを含む公開情報を詳細に検討するという手法で、今回の容疑者を突き止めている。余談ではあるが、べリングキャットはさまざまなフェイク情報を公開情報で検証する作業を続けており、ロシアの嘘を暴いているため、ロシア側もべリングキャットを名指しで非難することが増えている。

Belling Cat(べリングキャット)