アムステルダム国立美術館、旧植民地スリランカやインドネシアへの美術品返還か

アムステルダム国立美術館は、スリランカとインドネシア政府といわゆる「略奪美術品」を返還することについて話し合うと発表した。Trouw紙のインタビューで、国立美術館のタコ・ディビッツ館長は「美術品返還はもっと早い時期にすべきだった。弁明の余地もない。」と語っている。再来週にも同美術館の歴史部のゴッセリンク氏がスリランカに飛び、古い大砲やバンジャルマシン・ダイヤモンドなどの返還について話し合う。このダイヤモンドはかつてはボルネオのサルタンが所有していたもの。スリランカ訪問の後、ゴッセリンク氏はインドネシアにも出向く。

旧植民地への美術品返還の動きは世界的に拡大している。今年の1月にはフランスのマクロン大統領が、旧植民地の西アフリカ・ベナンからフランスに持ち出された美術品を返還する方針を決めている。今回の国立美術館の美術品返還については、所有者がオランダ国家なので最終決定は政府が行う。先週には、オランダの国立世界文化美術館(ライデンの民族博物館とアムステルダムの熱帯博物館そしてベルグ・エン・ダルのアフリカ美術館の連合体)が、植民地美術品の返還についてレポートを発表した。この3館が所有する美術品は37万5000点にのぼる。この中の植民地から略奪された美術品の自主的返還については政府の決定に委ねられている。

Trouw紙の記事