食品廃棄を減らすためのヒント

先進国では食品廃棄が問題になって久しい。オランダでもこれを減らす試みが行われ2010年にはひとりあたり年間48kgの食品を廃棄していたのが2016年には41kgへと減った。しかし、これも決して問題解決にはなっていない。そこで、食品センター、ワーヘニンゲン大学、スーパーマーケット各社、マクドナルドそしてラボバンクが共同で「あなたは食品廃棄を減らしている?」というキャンペーンを開始した。

消費者の食に関する情報提供やアドバイスを行う食品センター(Voedingscentrum、政府が100%助成)によれば、小さな子どものいる家庭が食品廃棄が一番多いという。食品廃棄は環境に悪いだけでなく非経済的だ。一世帯平均50ユーロ分の食品を捨てているが、1年では600ユーロにもなる。

廃棄直前の食材を使って調理するレストラン「Instock」が食品廃棄を減らすいくつかのヒントをあげている。スーパーマーケットに行く時はショッピングリストを持参し、余計なものを買わない。料理するときは人数分のみ。冷蔵庫は食品を長期保存できる4度ぐらいに設定する。残り物はできるだけ冷凍する。といった当たり前のことなのだが、それを行わず余った食品はゴミ箱行きという家庭が多いという。

このレストラン「Instock」以外にもここ数年オランダではいくつかの食品廃棄をなくす試みが行われている。2018年から、ホテル、スーパーマーケット、パン屋、デリカテッセンなどが余った食品を知らせ、消費者は安い価格でこれを引き取れるというアプリ「Too Good To Go」が利用できるようになった。アムステルダムの5星ホテル「The Grand」もこれに参加している。毎朝の朝食ビュッフェでは大量にチーズ、パン、ハムなどが余る。これまではこれを廃棄していたが、今ではアプリで欲しい人に販売している。このアプリ「Too Good to Go」にはオランダだけで約1100の企業が参加。アプリ利用者は約35万人に登るという。

アプリToo Good to Go