「片付け」ビジネス、オランダでもブーム。コンマリ番組が後押し?

「片付け」をおぞましい響きと感じる人も多い中、これが夢の職業だと思う人もいるようだ。オランダで「プロフェッショナル・オーガナイザー」と呼ばれる片付けビジネスを始める人が増えている。日本で大ブームとなった近藤麻理恵の魔法の片付けだが、ネットフリックスのドキュメンタリー番組が今年の1月1日から開始され、米国そして欧州でも旋風を巻き起こしている。これがさらに片付けビジネスの成長を後押ししそうだ。

オランダでも数年前から片付けビジネスが脚光を浴びており、商工会議所に登録された「片付けコーチ」会社は5年館で13から74社へと5倍となった。この数字は少ないが、別のビジネス部門で登録していたり、フリーランスで行っていたりする人も多く、実際にはもっと多くの人がこのビジネスにかかわっているという。

この増加は近藤麻理恵ブームに押されているのか?という質問に対し、オランダでのプロフェッショナル・オーガナイザー200名をかかえる団体NBPOは否定している。オランダではすでに22年前にこの団体は設立されている。

同団体の役員であるニューウェンハウゼン氏によれば、オランダ人はかなり整理整頓好きな人種で、ものを処分することにそれほど抵抗はないという。とくに若い人はモノを寄付することが捨てることへ罪悪感を軽減するようで、リサイクルショップ(Kringloop)に足を頻繁に運んでいる。ただし高齢者などは昔からためていたものを捨てることに抵抗を感じる人も少なくなく、この層を狙った「片付けプロ」の需要は伸びている。

片付けコーチは政府認定書などは必要ではなく誰でも始められるビジネスである。ただし上記団体が行う3日間で1500ユーロのコーチ養成コースや数100ユーロでできる通信教育などを受けることも可能で、どちらも終了書はもらえる。近藤麻理恵の認定書がもらえるというコースはずっと割高で、ニューヨークまでのチケットのほかに2000ユーロの授業代そして毎年440ユーロのコンマリ認定スタンプと呼ばれる年会費がかかる。ただし「こんまり認定スタンプ」があると、需要も増えるしサービス料金も上がるという。

オランダでのプロ・オーガナイザーの料金は時給50−60ユーロ。アメリカでは経験が長いコーチは1時間100ドルとっており、たいていの場合5時間が必要のようだ。