オランダ、2019年1月1日から変わる税金や制度

2019年1月1日からいくつかの税金や制度の変更がある。低額付加価値税が上がる一方で所得税は下がり、父親の産休が増えたり、子ども手当が増額されるなどだが、政府の試算によれば可処分所得は増えるらしい。(12月20日記事)

*食品などに適用されている低額付加価値税(BTW)が1月1日からこれまでの6%から9%に上がる。食品、飲料、飲食店、ホテル、水道、花、植物、薬品、本、雑誌、新聞、キャンプ場、サーカス、動物園、スポーツ観戦、遊園地、美術館、劇場、コンサート、映画、スポーツ、プール、サウナ、公共交通、タクシー、修理、美容院などがこの低額付加価値税に適用されている。この変更により、価格は2.8%上昇する。
これに対し所得税は減税となる。とくに額面給与が年間20,000ユーロから68,500ユーロの場合は、所得税減税の恩恵を受ける。

*光熱費ではガスにかかる税金が値上がりするが電気にかかる税金は下がる。またこれまでエネルギー税割引が309ユーロだったが、これが258ユーロに下がることで税額が増える。これにより平均で130ユーロの増税となる。

*住宅ローンの金利が税控除対象となっているが、控除額は毎年減っている。2019年は支払い金利の49%が控除される。

*駐在員が対象となっている30%ルール(給与の30%のみが課税対象になる措置)は、これまでの8年から5年へと縮小される。

*父親の産休は有給でこれまでの2日から5日間となる。さらに2020年7月1日からは、有給5日に加え5週間の産休(給与70%)となる。さらに養子bや里子を迎えた場合もこれまでの4週間から6週間の産休が取得できる。

*保育所補助金も増額される。数100ユーロから場合によっては1000ユーロの増額となる。また子ども手当も増額され、6歳までの子供は年間60ユーロ、6歳から12歳で80ユーロ、18歳までは90ユーロの増額である。

*健康保険料も値上がりする。基本の保険料が来年から5.7%の値上るほか、保険支払い額の上限などが変更される。

*交通違反の罰金も値上がりする。信号無視がこれまでの230ユーロから240ユーロに。スピード違反10キロで72ユーロとなる。ただし75ユーロ以上の罰金は分割払いも可能となる。

*老齢年金(AOW)の支払い年齢がまた4ヶ月延長され、これまでの66歳から66歳4ヶ月となる。2020年には66歳8が月、そして2021年には67歳となる。

*最低賃金(22歳以上)が月額1594.20ユーロから1615.80ユーロへと増額される。

*切手代も値上がりし、オランダ国内は83セントから87セントへ、海外は1.40セントから1.45セントになる。

*大きな企業では、エネルギー節約のためにどのような手段を講じているかを報告することが義務付けられる。約10万社が対象。