オランダの2病院が倒産

アムステルダムのMCスローターファールト病院とレリースタットのアイセルメール病院の2病院が木曜日、倒産を宣言した。スローターファールト病院では水曜日にはすでに新規の患者を受入中止している。この病院には80名の入院患者がいるが、すべて近隣の病院に移されることになる。これは治療のみを行う院内のクリニックも同様である。インテンシブケアはすでの患者は移送済みで使用されていない。倒産を管理する管財人は患者データの移行がプライバシー法に抵触せずに行われるよう検討中であるという。スローターファールト病院は比較的規模も小さく、近隣に病院が多くあるため深刻な問題は起きていない。

これに対しフレーフォラント州にあるアイセルメール病院の倒産は社会問題になりつつある。
アイセルメール病院は、グループで運営されており、ザイダーゼイ病院、エメロード病院、ドロンテン病院そしてデ・クレーク産院がこの倒産に関係している。すぐに閉鎖はされないが、管財人は従業員のすぐさま解雇を要求している。しかし裁判所は2ヶ月のクールオフ期間を制定しており、この期間は病院の資産や機材は凍結される。同州にあるレリースタット、アルメール、ノールドオオストポルダー、ウルク、ドロンテン、ゼーウォルデ各市とフレーフォラント州が、病院閉鎖に懸念し反対している。

以前は政府が病院が経営的に持続できるよう資金注入などを行ってきた。しかし2006年から医療にも市場原理が導入されたことで、政府の介入はなくなった。そのかわりに保険会社が医療機関の経済的な持続にかかわってきたが、これも病院では適用されなくなっている。倒産の理由は単に病院の運営費用が収入を超えていたというもので、アムステルダムのスローターファールト病院に関しては、病院評判が落ち、ホームドクターがこの病院に患者を送るのを避けていたのも収入の激減の背景にあるという。