オランダは干ばつに対して無策!?

この夏のオランダは例年とは一転し気温が高く降雨のない日々が続いており、農家では水不足に悩まされている。農業技術などで知られているワーヘニンゲン大学の研究者であるファン・ラーネン氏によれば「低地であるオランダは水害に対しては準備万端であるが、干ばつには対応できていない。オランダの水管理はかなり保守的だ。ヨーロッパの他国ではずいぶんと長い間この日照りに対して管理を行っている。」という。また飲料水を研究するクーン・ズアビア氏も「オランダでは蛇口をひねれば必ず水が出てくることに慣れているが、このためにはもっと水の貯蔵が必須だ。」とコメントしている。ライン川とマース川の水量が減ると水不足は将来もっと頻繁に起こりそうだ。

これまでオランダで干ばつが起きたのは40年から50年に一度だった。しかし気候変動により、これまでより頻繁に降雨が少なく気温が上がる日々が訪れると、オランダ気象協会KNMI。

オランダの干拓地は冬の水位が高い時期には水を止める機能を果たしているが、これを季節を問わず「貯水池」として利用すべきだという意見もある。夏が干ばつになった際にはこの貯水池から水を汲み上げることができる。オランダの最大の人工湖であるアイゼル湖では伝統的に水位を低く保つよう管理されていたが、この基準を上げるべきだと干ばつに詳しい研究者ワンダーズ氏は述べている。