オランダ、天然ガス依存から風力発電へ、急進的な環境対策

二酸化炭素排出量では欧州でも最悪というレッテルを貼られていたオランダは、約4ヶ月間に及ぶ産業界との交渉で10日世界でも最も急進的な環境合意を成立させた。2030年までに排気ガスを現在の半分にするのが今回の合意の趣旨である。ガスや石油への依存から風力と太陽エネルギーへの移行と食肉生産の大幅削減が織り込まれている。オランダは天然ガスを生産しているため代替エネルギー開発が遅れを取っていた。牛や豚の畜産も温室効果ガスの発生の原因となっている。

この交渉を率いたナイペルス氏は「この合意を成功に導くためにはすべての人が協力しなければならない。」と国民への影響を強調している。現在オランダは「大工事」の前夜にあるとも言える。これから数年かけ数百万戸の住宅で断熱工事が施されガスも切断される。エネルギー税も増税される。天然ガスは大幅に値上げされるが電気料金は下がる。また断熱などの家の改造費のローンには定率利子が適用されるという。
しかしながら、この「大工事」の費用は誰が負担するのかについてはまだ合意に至っていない。産業界なのか消費者なのか、詳細についてはこの夏から討論が始まり、年末に最終決定する。

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