オランダ健康管理委員会、大気汚染基準引き上げを提唱

オランダの大気汚染は見た目以上に深刻なようだ。政府の健康管理に関する諮問機関である健康管理委員会(Gezondheidraad)は23日、欧州の基準ではなく世界保健機構(WHO)の世界基準に従うべきだと発表した。WHO基準は現在オランダが施行している大気汚染基準を上回る厳格なもので、交通と農業による汚染以外にも船舶や発電所、工場そして建物に対しても厳しい規制が導入される。

オランダでは大気汚染によると診断された死亡者が年間12,000人もいる。オランダの大気汚染は改善されているものの、渋滞の激しい道路沿いや集約畜産農家の周辺での死亡者が目立つ。
これに先立ち環境保護団体である環境防衛協会(Milieudefensie)は大気汚染に関して政府を提訴している。オランダでは150ヶ所で欧州基準以上の大気汚染が横行しているというのが、同協会の訴訟内容だ。

健康管理委員会は、道路では制限速度の低減や電気自動車の導入、畜産業界では糞尿によるアンモニアガスの発生を抑えるなどが大気汚染を改善する手段だとしている。