中国やロシアの大富豪はEUのパスポートやビザを簡単に入手!?

EU各国のパスポートやビザを持っていれば欧州どこにでも行けるため欲しがる人は多い。世界の腐敗や汚職を調査するトランスパレンシー・インターナショナルと欧州議会の調査によれば、欧州各国でパスポートやビザが販売されているという事実が発覚した。「黄金のビザ」と呼ばれる欧州のパスポートや居住許可証は、毎年数千人のロシア人や中国人が購入している。価格や購入条件は国によって異なるというが、簡単に購入できる国もいくつかある。

オランダの欧州議会議員であるピリ氏(労働党)によれば、「欧州以外の国民へのパスポート販売には、明確なルールもないし不透明。そしてなんの管理も行われていないのが実情」だという。「パスポートを得た人は自由に欧州内を動けるため深刻なセキュリティの問題だ」と警鐘を鳴らしている。とくに、暗黒界を仕切る大富豪たちが欧州のパスポートを購入した場合が問題だ。オランダの労働党や民主66党は、「シリアのアサド大統領やロシアのプーチン大統領の友人たちが簡単にパスポートを購入している」と指摘している。

例えばプーチン大統領の友人でドナルド・トランプ氏の選挙キャンペーン担当者とも近いデリパスカ氏はキプロスのパスポートを購入している。キプロスでは最低200万ユーロを投資し5人の従業員を雇えばパスポートを獲得できる。
ポルトガルでは50万ユーロ投資すればビザを獲得でき5年後には市民権を得られる。ブラジルの富豪で汚職事件で逃亡していたオリベイラ・ディアス氏もこの方法でポルトガルのパスポートを取得した。さらにリトアニアではビザは1万ユーロと安価なため、ロシアや旧ソビエト連合国からの申請が後を絶たない。アサド大統領の従兄弟もオーストリアのパスポートを取得している。ハンガリーでのパスポート価格も30万ユーロと安く、とくに中国人からの申請が多いという。

この問題について本日30日に欧州議会で討論が行われる。

Transparency Internationlの調査