「観光公害」からアムステルダムを守るため民泊規制、観光バス規制など検討

増え続ける観光客で、アムステルダムの中心地区は混雑し騒音やゴミなどで住民を脅かしている。アムステルダム市はこれに対しかなり強硬な手段を計画している。市街地でのアエ・ビーエンビー(民泊)全面禁止、遊覧船の係留禁止やクルーズターミナルの移転などが含まれる。
新条例は、緑の党、労働党、民主66党そして社会党が同意しているが、全党の同意にはまだ至っていない。しかしこの条例の成立の可能性は高いとみられる。緑の党は「外国人観光客の増大は悪いことではないが、これによる被害が増え続け住民や市にとって限界に達している。厳しい手段で臨まなければ解決はしない。」と述べている。

大量の乗船客を街に送り込むクルーズ船のターミナルをこれまでの中央駅付近から西部の港湾地区に移す計画があった。しかしアイ湾とフレーフォ州を結ぶ橋の建設計画により、大型クルーズ船はアイ湾自体には入港できなくなる。このため北海運河(Noordzeekanaal)の沿岸にターミナルは移動することになる。
アムステルダムではすでに民泊期間を年間で最高30日にしたりホテルの新規建設を禁止する条例を実施している。新条例では、観光バスの市内乗り入れを禁止し、バスは幹線道路(A10)の外側に駐車させ、観光客は駐車場から直接遊覧船に乗り込むことになる。さらに観光税を7%に値上げする。また中心地での観光客目当ての店舗や大型ショップ規制もさらに拡大する計画だ。

アムステルダムは現在年間1800万人の観光客を受け入れているが、2025年には2500万人にまで増加する。「観光公害」はアムステルダムだけでなく、バルセロナ、ベニス、京都など世界各地で問題化しており、それぞれ解決法を探っている。