ロンドンのオークションで売られた作者不明の絵画がレンブラントのものと判明

作者不明としてオークションにかけられた絵画がレンブラントの作品であることがわかった。新しくレンブラント作と認められた作品が出たのは50年ぶり。この絵画は1634年ごろ、若い男性を描いたものだが、おそらく男女の肖像画の一部だと見られている。

この作品を発見したのはアートディーラーで美術史家であるヤン・シックス氏。1年半前にロンドンのオークションハウスであるクリスティーズに「作者不明」として出品されていたものを競り落とした。レンブラントと見られる作品の多くは弟子らによるものが多いため、シックス氏はレンブラント研究機関である「レンブラント・リサーチ・プロジェクト(RRP)」で真贋を調査してもらった。この結果作品がレンブラントのものであることが判明、さらに世界の15人のレンブラント専門家も本物であると太鼓判を押した。

94.5cmx73.5cmのこの作品は、6代にわたってイギリスの貴族によって保持されていた。クリスティーズでの当初の見積もり価格は15,000から20,000ポンド。シックス氏は絵を見た瞬間にレンブラントのものだと確信、数百万ポンド(数億円)に上がると予想し投資家を確保しこの絵画を購入した。予想に反し、競り落とした価格は137,000ポンド(約2000万円)と安いものだった。

さらに、3年前にフランスで競売に出て1億6000万ユーロ(約200億円)でオランダとフランスの両政府により競り落とされたレンブラントの「マルテンとオーピエン」の「マルテン」と今回発見された肖像画の男性に類似点が多いという。顔料、筆使い、構成などがレンブラントが1634年ごろに描いた作品と一致する。

この作品は本日水曜日からアムステルダムのエルミタージュ美術館で公開される。

エルミタージュ美術館