オランダ情報機関、ロシアのアメリカ大統領選挙への介入を突き止めていた

オランダのフォルクスクラント紙によれば、オランダの情報機関(AIVD)は米国選挙の際に米民主党本部をハックしたロシアのハッカーを突き止めていたという。同紙とテレビ番組ニュースアワーは共同で、オランダと米国の匿名情報機関の情報を収集、これを元に26日ニュースを発表した。ニュースによれば、ロシア政府と強いつながりがあるモスクワのハッカーグループ「コージーベア」が民主党をハックしていたという。

オランダの情報機関AIVDは、ロシアのハッカーグループ「コージーベア」が他のハッカーグループ「ファンシーベア」と共同で2016年の大統領選に介入していたことを当時からネット上でモニターしていた。ロシアのハッカーが、米国民主党本部のメールや文書への不正アクセスと漏洩を行っていたことも熟知しており、これを米国当局へ通報していた。さらにAIVDはハッカーが拠点としているモスクワの赤の広場にある大学校舎の一室の出入りを写すカメラにもアクセスしていた。AIVDが米国へ通達していた情報が、今回の大統領選ロシア介入捜査の発起点となった可能性が高い。
オランダの情報機関AIVDと軍の情報機関MIVDで働くハッカーは約300人。サイバーネットワーク上で敵対するネットワークに侵入し攻撃することが許されており、今ではロシアのハッカーの足取りをすべて手中に収めているという。
なおオランダ政府とAIVDはこのニュースについてはノーコメントだが、スパイ情報を露呈した米国に対し憤りを表明している。

Volkskrant記事(英語)