オランダ、2017年を振り返って

2017年、世界ではテロ事件やハリケーンなどによる自然災害など痛ましい惨事が続いたが、好景気に湧くオランダは比較的平穏な年だった。2016年に社会問題にもなった難民や移民の流入も大幅に減り、難民のほとんどが住居を得ている。また7ヶ月近くにわたる政権不在にもかかわらず政治は安定、国民の多くが現在の生活に満足しているという調査結果も出ている。以下にオランダで紙面を賑わしたニュースを振り返ってみる。

3月15日、ポピュリズムの台頭が憂慮されていた欧州の先陣を切りオランダで総選挙が行われた。当初最大議席を獲得すると予想されていた極右の自由党(PVV)は、20議席にとどまり、オランダ国民のポピュリズムへの否定が体現される結果となった。この後に続いたフランスでも極右国民戦線は大統領選で敗北、欧州におけるポピュリズムの台頭は今のところ抑えられている。

5月14日、ロッテルダムのサッカーチーム「フェイエノールト」が、18年ぶりのエールディヴィジ制覇を果たした。
26勝4分け4敗のホーム戦無敗で一度も首位の座を譲らないまま優勝を決めた。。

5月28日、イタリアで行われる自転車競技ジロ・デ・イタリアで、オランダのトム・デュムラン選手が優勝した。デュムラン選手は今年のオランダ最優秀スポーツマンに選ばれた。

6月2日、3日間のあいだに2人の14歳の少女が行方不明になり、遺体で発見されるという痛ましい事件が起きた。2人の殺人は全く関連がなかったが、犯人は2人とも10代の少年だった。

7月31日、フィプロニルに汚染された卵が見つかる。害虫駆除剤であるフィプロニルは使用が禁止されていたが、知らずに使用していた養鶏所が複数見つかり、数千万個の卵が廃棄処分となった。フィプロニル事件はオランダだけでなく欧州他国にも拡散した。しばらくの間スーパーマーケットから卵が姿を消していた。

8月6日、女子欧州サッカー選手権で、オランダチームが優勝する。

9月6日、台風イルマが、カリブ海に浮かぶオランダの植民地であるシント・マーテン島を襲い、1800人が避難を余儀なくされた。オランダ政府は財政援助だけでなく警察や海軍を送り復興の手助けをした。

10月5日、寛容さと誠実さそして行動力で市民に愛されたアムステルダム市長、エーベルハルト・ファンデルラーン氏が62歳で死去した。

10月9日、3月15日に行われた総選挙後、史上最長の連立政権交渉がやっと終了し新内閣が発足した。新政権は、右派中道の自由民主党(VVD)、右派中道のキリスト教民主党(CDA)、リベラルの民主66党(D66)そして保守のキリスト教連盟(CU)の連立。

ポートフォリオが報道した2017年のオランダニュースのリストは以下のページで。

2017年ニュースリスト