若い家族、オランダの大都市から脱出。高騰する家賃。

子どもがまだ小さい家庭は、オランダの大都市から近隣の都市へ引っ越す傾向にある。とくに家賃が高騰しているアムステルダムでは顕著だ。オランダ中央統計局(CBS)の調査によれば、アムステルダムから出ていく人の数は入ってくる人の数を上回ることが判明した。この差は40万人に上る。

ユトレヒト、ロッテルダムそしてハーグでも小さな子どもがいる若い家族が都市部から脱出する傾向が見られる。たいていの若い家庭は賃貸住宅に住んでおり、移動が簡単というのもその一因。不動産価格が異常に高騰しているアムステルダムの住宅の平均価格はなんと37万ユーロ(約4800万円)というから、若い家族にはローンを組んで住宅を購入するのはもう不可能に近くなっている。オランダ全土での住宅価格平均は26万ユーロ(約3300万円)なので、大都市に住むという選択肢はなくなりつつある。

引越し先のほとんどは、近隣の市町村。これにより、都市部は都市圏を形成することになる。アムステルダムでいえば、ザーンダムやアールスメールなどで、市町村の境界線よりも住居環境のほうが大事だと考える人が多いようだ。

若い家族が出て行くのに対し、アムステルダムは外国人(外国企業の駐在者や学生)の数がますます増大している。過去5年間にアムステルダムの人口は年平均11,000人増えている。20−30代のインド人、アメリカ人そしてイギリス人がこのほとんどを占めている。このほかアムステルダムに移住する人の出身国トップ8カ国は西欧諸国だ。毎年6万人がアムステルダムに移住している。