オランダ新政府、教育、防衛、警察そして環境に投資
まだ組閣は完了していないが、オランダ新政府はほぼ方針を固めた。自由民主党(VVD)、キリスト教民主党(CDA)、民主66党(D66)そしてキリスト教連盟からなる、中道右派の新政権は大まかな方針を固めている。たとえば、これまで経営者は長期病欠の従業員に対し2年間給与を支払続けねばならないという法律があったが、このために窮地に陥った小企業は多い。この不公平を是正するため、従業員20人以下の小企業に限ってこの期間を1年とし、2年目は国と企業が半々に支払うことになる計画だ。
新政府の方針は思い切ったものが目立ち、例えば教育、防衛、警察、環境に大きな投資を行う。とくに重労働低賃金で問題になっていた小学校にはこれまでの予算を2億7千万ユーロ増額し、教師の給与値上げを行う。税制では、消費にかかる税金を上げ、労働へは低率課税が適用されることになる。低税率の消費税は税率が上がる。エネルギー消費には高税率が計画されている。
新政権発足は10月23日の週に予定されているが、総選挙から現在まですでに200日以上過ぎている。これまでに一番長かったのは1977年の組閣で208日が記録されているが、今回の第3ルッテ内閣組閣は、オランダ政治史上最長になる。