オランダ連立政権樹立交渉、暗礁に乗り上げる

3月15日の総選挙の後、オランダ各党は連立政権の樹立交渉に長い時を費やしてきた。しかし、中道右派の自由民主党(VVD)、キリスト教民主党(CDA), リベラルの民主66党(D66)、そして左派の緑の党(GroenLinks)4党による連立政府樹立交渉は破談に終わった。交渉における争点は移民政策と環境問題や所得格差問題などだ。このうち、移民政策が、今回の組閣失敗の原因となったと言われている。

VVD党、CDA党、そしてD66党の3党は、移民や難民をオランダ国内(あるいは欧州内)に受け入れず、トルコそしてアフリカに難民収容所を設立し、そこに留まってもらうことを提唱。これに対し緑の党はこの提案に断固反対の姿勢を譲らず、交渉に背を向けるという結果に至った。

緑の党が連立政権候補から落脱することになると、議会での過半数を確保するためにもう1党あるいは2党の参加が必要となる。候補に挙がっているのはキリスト教連盟党だが、この党も移民問題に関しては緑の党と同様なスタンスをとっているのと、安楽死や中絶に反対であることから、交渉難航が予想される。選挙で第2政党となったが、組閣交渉からは締め出された極右の自由党(PVV)は、今回の失敗に関しツイッターで「失敗を歓迎し、PVV党が再交渉に加わる準備はある。」と声明を発表している。