オランダ総選挙結果、誤ったポピュリズムに「ノー」

15日に行われたオランダの総選挙の開票の結果、当初最大議席を獲得すると予想されていた極右の自由党(PVV)は、20議席にとどまり、オランダ国民のポピュリズムへの否定が体現される結果となった。
また今回の投票率は80年代以降最も高い78%と、国民の政治への関心の高さが示された。以下は16日朝、開票98%時点での議席獲得数である。(全議席150)

自由民主党(VVD)中道右派 33
自由党(PVV) 極右 20
キリスト教民主党 中道右派 19
民主66 中道左派 19
緑の党 左派 16
社会党 左派 16
労働党 左派 9

第一党はルッテ首相が率いる自由民主党。首相は「誤ったポピュリズムと戦う」と宣言し、欧州がポピュリズムの波に飲みこまれる前にオランダでせき止めると決意を表明していたが、その決意が実を結んだといえる。前政権で連立を組んでいた労働党は、緊縮財政の先鋒と見られ嫌われ、その票は民主66や緑の党そして社会党へ流れた。今回の選挙で大きく躍進したのは、中道左派の民主66党と緑の党で、それぞれ12議席から19議席、4議席から14議席へと議席を増やした。30歳のクラーフェル氏が率いる緑の党は年齢が高い政治家による古い政治を嫌う若者の票を多く獲得している。反移民、反EU, 反イスラムを掲げる自由党への投票は当初の予測より大きく下回ったものの、第2位の地位を獲得している。

今回の総選挙の結果で、オランダにおけるポピュリズムが否定され、EU離脱という選択もなくなったことで、欧州各国に安堵が広がっている。