ルッテ首相、選挙を控えポピュリスト台頭を警告「トランプや英国EU離脱と同じ」
今週15日(水)に控えているオランダ総選挙で、極右ウィルダースの率いる自由党(PVV)が最多数の議席を得る可能性が濃厚になっている。(議席が過半数に達することはないため、PVV党が政権をとるという可能性はゼロであるものの、自由民主党党首(VVD)のルッテ首相は、自由党(PVV)が、最多数議席を獲得した場合の結果について警鐘を鳴らしている。ニュースサイトNu.nlのインタビューで「極右政党が最大の党になるようなことがあれば、オランダはポピュリズムのドミノ効果にはまってしまった国という国際的な評価を受けることになる。ドナルド・トランプが当選した米国選挙や、EU離脱を支持した英国国民投票と同様なポピュリズムの勝利というレッテルが貼られる。」と述べている。
「ポピュリズムは政治的な問題をさらに拡大させるだけでなく、解決法を提供するものではないということを選挙民に伝えたい。」とルッテ首相はPVV台頭を危惧する姿勢を見せている。
ルッテ首相は、選挙でウィルダース氏が勝利すれば「混乱」が起きると警告している。まずウィルダース氏が主張しているEUからの離脱だが、もしオランダが離脱すれば1500万人が失職するという数字を上げた。オランダへの中東からの難民数が劇的に減少したのも、国際協力があってのものだとし、EUの重要性を強調。さらにウィルダース氏の反対する、オランダのマリとアフガニスタンへの介入だが、「世界の政情安定には必要。」だとしNATOの活動の重要性を論じている。
さらに土曜日に起きたトルコとの外交問題(トルコ外相をトルコの選挙目的でオランダへの入国を拒んだ)についてはその姿勢を断固として崩さないとしているが、この問題がトルコでせき止めている難民の欧州流入交渉に悪影響を与えるかという質問に対しては、可能性はほぼないと楽観的な見解も見せている。