オランダの学校、9人に1人の教師は政治や宗教などの話題を避ける

タブーはないと考えられているオランダで、テロ、同性愛、奴隷制度、トルコやロシアでの政治状況といった話題を授業で避けるという教師は9人に1人いるという調査結果が出た。政府の教育担当局DUOの調査で、中高の教師の11%はこういった話題に触れるのが難しいと答えている。しかし、アンケートに答えた3分の2の教師は積極的に話し合っている。都市部とそれ以外の地域での差はない。

テロや宗教などの話題を避けている教師によれば、とくに西欧と非西欧(イスラム諸国)との価値観の違いで対立があり、これにどうやって対応すべきかわからず困惑しているのが大きな要因だ。教育省デッカー副大臣は、教師が自分ゲイであることを隠したり、教室内の対立を恐れ特定の話題を避けるというのは正常ではないと述べている。「オランダは、個人の信仰、出身地、性的嗜好などをすべて認めることを基本としている。教育はこの基本的な価値観を次世代に伝えるのが目的。」だとし、教師が政治的、性的、宗教などのテーマを教室に持ち込まないことを批判した。

さらに同調査では学校内の統合についても調査結果を発表している。宗教や人種間の統合は過去にはかなり進んでいたが、最近では同人種間でかたまる傾向が強くなっているという結果が出ている。さらに自分とは違った価値観を持つグループへの寛容度も下がる一方だという。DUOは小中学校2200校の教師を対象に調査を行った。