オランダ・テロ対策委員会、イスラム国崩壊による戦士の帰還に警戒

オランダ国家テロ安全対策委員会(NCTV)は、イスラム国(ISIS)の崩壊でオランダに帰還するジハーディスト(イスラム教の戦士)による脅威が高まっていると警告している。現在シリアおよびイラクでイスラム国(ISIS)の奪回が進行しており、欧州各国から出向いた戦士が帰国する可能性が高まっている。

帰還したイスラム戦士がもう一度出国し他の地で戦闘に参加するのはほぼ不可能であるため、オランダ国内でのテロ攻撃を行うのではないかと、NCTVは懸念している。イスラム国のシリアとイラクでの後退が顕著になり崩壊の危機に立てば、さらに欧州内へ戦地を移す可能性は高くなる。

現在イスラム国で戦うオランダ国籍者は190名。すでにオランダに戻った戦士は40名だとオランダ諜報機関AIVDが報告している。2012年からこれまでに合計270名がイスラム国に出向いており、このうち44名の死亡は確認されている。

NCTVによれば、国内情勢を脅かす要因となり得るのはイスラム国やアルカイダだけではない。極右と極左支持者による暴力による対立の危険性も高まりつつある。来年予定されている総選挙でも、この二極化が国内不安のリスクを高めると予想される。