犯罪被害が大都市で多く、新興住宅地では少ないのはなぜ?

中央統計局(CBS)が本日発表した犯罪統計によれば、2015年にもっとも暴行事件の被害が多かったのはアムステルダム。100人に1人が被害にあっている。オランダ全土平均では住民1000人に5.4人が被害者という結果が出ている。ロッテルダム、アイントホーフェン、アーネムではこれが9人となっている。(アムステルダムは10人)
空き巣もアムステルダムは平均より高く2015年には6158戸が被害にあっており、これは住民1000人に対し7人という割合。オランダ全土平均は1000人に対し5.1人。
これに対し、ワッデン海に浮かぶスヒアモニク島では空き巣の被害はゼロという統計結果が出ている。

興味深いのは、フィネックス地区(Vinex-Wijken)と呼ばれる地域での犯罪率が低いという結果である。犯罪被害率が全国平均で1000人に57人に対し、フィネックス地区では28人という結果が出ている。フィネックス地区とは1993年以後に建設された大都市周辺の郊外の新興住宅地である。CBSによれば、フィネックス地区では空き巣を防止する設備が整っているのがこの低さの要因だという。例えば、アラームが設置されている家はフィネックス地区では20%、これに対し大都市では11%。もう一つ考えられるのは、この新興住宅地に住む人達は他の地域の住民よりも危機感が強いことだ。例えば、暗くて危なそうな道を歩いたり自転車で通らないというのが、住民の暗黙の了解であるらしい。