オランダのAMC病院、手術室にブラックボックス
アムステルダムのAMC病院では、20ある手術室のうちの一室に「ブラックボックス」を設置する。オランダの病院では初めての試みである。飛行機のブラックボックス(フライト、コックピットレコーダー)と同様、手術室におけるあらゆるデータを再現、分析できる。これにより患者の安全を高めるのが目的。手術中の患者の血圧、体温、心拍などを記録するだけでなく、手術室内の執刀医やアシスタントなどの動きをすべて録画、モニターする。
ブラックボックスの設置準備には2年間の期間を要した。過去にカナダの研修医が実習中の手術をすべて記録し、ミスから学んだというエピソードが、AMCでこのシステムを取り入れる発端となった。ブラックボックスで録画したデータは患者個人のカルテとしては保存されないが、万が一医療ミスと考えられる自体が発生した場合には、患者はこのデータを要求することができる。オランダでは年間970人の患者が、手術中に避けられるはずの医療ミスで死亡しているという調査結果もある。